「マニュアルがある」だけでは意味がない。イオンモール熊本の事故をきっかけに会社の防災マニュアルを確認してみた

お金の戦略

イオンモール熊本 従業員の避難誘導で、社内規定に抵触か 毎日新聞(ヤフーニュース)

2026年7月29日、熊本県嘉島町のイオンモール熊本で、地震後の爆発によって7人が亡くなる事故が発生しました。

その後の報道で、施設の安全確認が完了する前に、テナント従業員が館内に戻っていたことが分かったという記事を読みました。

もちろん、事故の詳細については今後の調査を待つ必要があります。

ただ、この記事を読んでいて、ふと自分の会社のことが気になりました。

「うちの会社、大規模災害が起きたとき、実際どうするんだ?」

頭では分かっているつもりでも、いざ地震が起きたら、とっさに判断できるのだろうか。

そう思い、自社の大規模災害時の対応マニュアルを確認してみました。

売上よりも、まず社員の命

私は自販機事業に携わっています。

普段は売上や利益、自販機の稼働状況、商品構成、残業時間など、どうしても「会社をどう運営するか」という視点で仕事をしています。

しかし、大規模災害が起きたときに最優先すべきなのは、

売上ではなく、人の命です。

自分自身も含めて、働いている人全員の安全を確保する。

これは当然のことです。

労働安全衛生法、労働基準法、働き方改革などについても、仕事の中で何度も考えてきました。

「安全な職場をつくる」

「働きやすい環境をつくる」

言葉にすれば簡単です。

でも、

「突然、大きな地震が起きたら、自分は何をする?」

と考えると、意外と答えが出てきません。

実は会社にマニュアルがあった

そこで総務に確認してみました。

すると、大規模災害時の対応マニュアルは数年前に作成されていました。

しかも、私自身も過去の会議で見たことがあります。

社内ネットワークにも保管されていました。

「ちゃんとあるじゃないか」

と思う一方で、正直に言うと、

存在そのものを忘れていました。

ここが今回、一番考えさせられたところです。

マニュアルがある。

でも、社員が存在を忘れている。

そして、実際に災害が起きたときに、それを見ながら行動できるとは限らない。

「マニュアルがあること」と「マニュアルに沿って行動できること」は別物です。

雪や台風なら事前に準備できる

私の会社でも、雪や台風などの場合は比較的対応しやすい部分があります。

天気予報を見ながら、

「明日は出勤時間を変更しよう」

「このルートは危険だから避けよう」

といった事前対応ができます。

ところが、地震はそうはいきません。

いつ起こるか分からない。

しかも、自販機事業は工場とは働き方が違います。

日中、社員の多くは会社にいません。

ルート営業はトラックや営業車で外に出ています。

それぞれ違う場所で仕事をしています。

では、突然大きな地震が発生したらどうするのか。

  • トラックはどうする?
  • 営業車はどうする?
  • 外出中の社員はどこに避難する?
  • 拠点長はどうやって社員の安否を確認する?
  • 安否確認が取れた後、社員はどう行動する?
  • 拠点長は誰に、何を報告する?

ここまで具体的に考えておく必要があるのではないかと思いました。

今のマニュアルで足りているのか?

現在のマニュアルでは、まず社員の安否確認を行い、拠点長が社員の状況を確認して役員へ報告するという流れになっています。

最低限のルールはあります。

ただ、私が今回感じたのは、

「安否確認の後はどうするの?」

ということでした。

安否確認が取れた。

では、その後は?

「自宅に戻るのか」

「会社に集合するのか」

「現場の状況を確認するのか」

「車両はどうするのか」

「復旧に向けて動くのか」

もちろん災害の規模によって変わるでしょう。

だからこそ、ある程度の判断基準を事前に決めておく必要があるのだと思います。

そして、もう一つ気になったこと

さらに気になったのが、

「練習したことがない」

ということです。

マニュアルを読んだだけでは、実際に動けるか分かりません。

普段の仕事でもそうですが、知識として知っていることと、実際に行動できることには大きな差があります。

例えば、

「地震発生」

↓

「身の安全を確保」

↓

「安否確認」

↓

「拠点長へ報告」

↓

「拠点長が状況を集約」

↓

「役員へ報告」

↓

「その後の行動を判断」

という流れを、実際に訓練してみる。

それだけでも、かなり違うはずです。

「安全運転会議」だけで扱う問題なのか?

今回のことを考えていて、次回の安全運転に関する会議で議題にしてもいいのではないかと思いました。

ただ、よく考えると、これは「安全運転」だけの話ではありません。

地震、台風、大雨、火災などの災害。

社員の安否確認。

車両や商品の安全。

拠点の事業継続。

そして社員の行動。

そう考えると、会議のテーマそのものを、

「安全・防災・事業継続」

くらいの大きな枠組みにしてもいいのかもしれません。

マニュアルは「作ること」がゴールではない

今回、イオンモール熊本のニュースをきっかけに、自分の会社のマニュアルを確認しました。

そして改めて感じたのは、

「マニュアルがあるから大丈夫」ではない

ということです。

実際に確認してみる。

足りないところを見つける。

社員に共有する。

そして、実際に訓練してみる。

ここまでやって初めて、マニュアルが「使えるもの」になるのだと思います。

普段は売上や効率を考えて仕事をしています。

でも、大規模災害が起きたときには、まず命を守る。

そのために、平時から準備しておく。

今回のニュースは、会社の防災について改めて考えるきっかけになりました。

「もし今日、大きな地震が起きたら、自分はどう動く?」

一度、自分の会社の防災マニュアルを確認してみようと思います。

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